■銀塩画像処理法
■Step 4: ハイコントラスト処理

最後に星雲のコントラストを引き上げる。淡い散光星雲をコントラストよく見せるためには、散光星雲の輝度範囲を拡げてやればよい(持ち上げるのではない)。
印刷にするにしろモニタで見るにしろ、最終的には8bitカラーだ。データ自体は16bitなので、そのまま階調圧縮をすると、せっかく16bitの細かい階調も死んでしまう。
16bitの階調のどの部分を8bitで捕らえるかが重要なのだ。対象である星雲・星団が8bitのワクの中にできるだけ収まるように見繕うのが、最終段階の処理なのだ。

トーンカーブを開き、画面上にマウスカーソルを置くと、カーソルが指すピクセルの輝度が、トーンカーブ上に○で表示される。この機能を使えば散光星雲の輝度がわかる。
ハイコントラスト処理といって、コントラスト補正のダイアログを呼び出してはならない。またレベル補正でもない。使うのはトーンカーブのダイアログだ。メニューから[イメージ]→[色調補正]→[トーンカーブ]とする。

表現したい対象を輝度方向に引き延ばし、より多くの階調に拡げる。つまり、星雲の輝度成分の範囲で、トーンカーブの傾きがより大きく(縦に近く)なればいい。
コントラスト補正でも同じように傾きは大きくなるが、シャドウとハイライトが完全にとんでしまう。
天体写真では対象(星雲)が写っている輝度範囲はほんのわずか。そのわずなな範囲を大きく拡げてやるのである。
まず、対象が輝度レベルのどのくらいに位置しているか把握しなければならない。トーンカーブのダイアログで、画像の散光星雲の部分にマウスカーソルを重ね、左ボタンを押したままにする。すると、トーンカーブの上に○が表示され、その箇所の輝度レベルがわかる。

グラフィクスソフトは、機能が揃っているだけではダメというのが持論だ。多彩な機能があることも大切だが、現在の状態(情報)を細かいレベルでユーザーに伝えることができなくてはダメなのだ。Photoshopはこの点が際だって優れている。
レベル補正やガンマ補正ができるソフトは数多いが、どれも「数値を設定→画像に反映」の一方通行なソフトばかり。「画像→数値を表示」といった逆方向の機能がないと、真に使いやすい、優れたソフトとは言えない。

上で分かった○の位置を中心に、低輝度部を下げ、高輝度部をあげる。トーンカーブの傾きが急になった場所は、より多くの階調が与えられるため、淡い散光星雲を十分な階調で表現できる。
さて、散光星雲の輝度レベルが分かったら、その部分を中心にシャドウ部を低く、ハイライト部を高くするような具合でカーブを作っていく。だいたいS字になるハズ。
シャドウ部の下げ具合で、バック濃度の濃さが決まってくるので、明るいかな、と思ったら少し締まらせた方がいいだろう。プリンターで出力するなら50前後にする。
ハイライト部を高くすれば散光星雲のコントラストが増す。地味にするのもヨシ、ギンギンにするのものヨシ、このあたりは各人の趣味とセンスに依存する。


ひととおりの作業が終わった状態。地味ですが、まずはこの程度を基本にさらに調整していきます トリミング後、トーンカーブでさらに赤を強く処理したもの。あまりやりすぎると不自然さが増してしまいます。
こうして完成した作品が右です。

え?まだハデさが足りないですか!?
ここから先は好みの問題です。もっと赤くハデに描写することもできます。
例えば、彩度を持ち上げたり、さらにトーンカーブで星雲の範囲を持ち上げたり…。
そうしてみたのが右側のトリミングした作品です。赤を強く出すのもよいですが、天の川の微光星にとけ込んでいくような階調を表現できると美しいですね!


■インデックス
■Step 0 画像処理に使うソフト
■Step 1 ネガ・ポジのスキャン
■Step 2 周辺減光除去
■Step 3 カラーバランス補正
■Step 4 ハイコントラスト処理

コラム:よい空で撮るメリット

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