■銀塩画像処理法
■Step 3: カラーバランス補正

次はカラーバランスの補正を行う。
バックの色はスキャン時におおよそ合わせていたが、ここで厳密に合わせることにする。背景の色は何色にすべきか、という話題も天文屋仲間で議論することもあるが、基本的にはニュートラルグレー(R,G,Bの値が同じ)でよいと思う。

まずはレベル補正のヒストグラムを見てみる。ヒストグラムの“山”のほとんどがバック濃度の成分で、天体の成分はほんのわずかだ。
Rプレーン、Gプレーン、Bプレーンの“山”の中央値が微妙にズレているのがわかる。これを揃えてやればグレーになる。
なお、Rプレーンは山の右側の裾野がややなだらかだ。これが赤い散光星雲のデータ成分。


レベル補正でR,G,Bのヒストグラムを表示させてみた。スキャン時にほどほどに合わせておいたので、大きくズレてはいない。
データのほとんどがバック濃度だが、Rプレーンだけ山の右側がなだらかになっており、赤い散光星雲のデータがあることがうかがい知れる。

星雲がないエリアを拡大し、恒星像を入れないように範囲指定する。 平均ぼかしフィルタを使えば、範囲していたピクセルの平均値をがわかる
このままレベル補正で合わせても合わないことはないが、ここではその名のとおりPhotoshopのカラーバランスを使ってみる。
まずは画面の一部、背景の部分を強拡大して、恒星が入らないように範囲指定する。サンプルの北アメリカ星雲付近は星が多すぎて、なかなか大きいエリアを確保できなかった(笑)。
範囲指定したら、[フィルタ]→[ぼかし]→[平均]とする。範囲内は、濃度の平均値にならされる。

平均値は、R=32, G=42, B=52で、青がやや強く、赤がやや弱かった。
範囲内にマウスカーソルを置いて、情報ウィンドウ(F8で表示)で値を見てみる。この場合は、(R,G,B)=(37,42,52)となっている。やや赤が弱く、青が強いようだ。
この程度のズレならばほぼニュートラルとして処理してしまう。プリンターやモニター等の出力デバイスとのカラーマッチングの誤差に比べれば微々たるものだろうからだ。
ここでは敢えて合わせてみる。

情報ウィンドウを見ながら「カラーバランス」で、背景をニュートラルグレー(R=G=B)にしていく。必ず「シャドウ」を選び、「輝度を保持する」にチェックを入れる。↑のように設定すると、(37,42,52)が(37,37,37)になった。
[イメージ]→[色調補正]→[カラーバランス]とし、[階調のバランス]のシャドウを選ぶ。「輝度を保持する」はチェックを入れる。
R,G,Bのカラーレベルをそれぞれ操作し、情報ウィンドウのRGB値が同じになるように数値を変更する。
設定する値が決まったら、値をメモし、キャンセルしてダイアログを閉じる。先ほどバックのカラーバランスを調べるために平均化した範囲がそのまま残ってしまうので、設定する値が分かったらやり直すのだ。
ぼかしフィルタをかける一歩手前まで操作を戻し(ヒストリー機能)、カラーバランス機能を呼び出し、メモしておいた値をセットし、補正する。

バックカラーを補正した。ネガやポジの種類にもよるが、E100/E200だと、光害が強いと緑が強くなるため、緑成分を引きすぎると対象のカラーバランスが崩れてしまったりする。このようなときはバックカラーを補正した後にトーンカーブで修正するが、やはり限界がある。
これでバックがニュートラルグレーになる。残っている周辺減光やその他の影響で、場所によってニュートラルグレーにならないのは仕方がないところだ。また、ニュートラルグレーだとしっくりこない場合は、やや赤を入れてみたり、青を入れてみたりするとしっくりくることもある。このあたりはお好みで。


■Step 0 画像処理に使うソフト
■Step 1 ネガ・ポジのスキャン
■Step 2 周辺減光除去
■Step 3 カラーバランス補正
■Step 4 ハイコントラスト処理

コラム:よい空で撮るメリット

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